最近、ニュース等でエンジニアの人材不足という言葉を耳にすることが増えてきましたね。
エンジニアの人材不足が話題になっている1つの背景には、従来からエンジニアの採用を積極的に行ってきたIT/Web業界のみならず、AI/IoT等の文脈で製造業もエンジニア採用に力を入れ始めたことがあると考えられます。
では具体的にどういったメーカーが、積極的にソフトウェア・AIエンジニアの採用に乗り出しているのでしょうか?メーカーでのエンジニア採用は海外勢が先行していた印象がありましたが、最近では日本資本のメーカーでもかなり積極的にエンジニア 採用を行っている企業が増えているようです。今回の記事では、日本資本のメーカーでソフトウェア・AIエンジニア の採用に積極的な企業の一部をまとめました。
目次
自動車業界のエンジニア採用
「モビリティ革命」と言われることもある通り、自動車業界では自動運転やコネクテッドカー等新しいイノベーションへの注目が高まっています。それに伴い、自動車関連のメーカーでは、従来のハードウェアエンジニアだけでなくソフトウェア系のエンジニア採用が広がっているそうです。
トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車は、自動運転ソフト開発の新会社として2018年3月にアイシン精機、デンソー、TRIとパートナーシップを組んでトヨタ・リサーチ・インスティテュート株式会社(TRI-AD)を設立しました。
自動運転の人工知能技術などに取り組む研究機関トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)の世界最先端の研究成果を具現化し、社会にインパクトを与える「世界トップレベルのソフトウェア企業」になることを目指した会社です。
将来的に1000人規模の開発体制を目指し、2018年6月からグローバル規模でエンジニアの採用を実施しています。求める人材は、「情熱を持って世界トップレベルの自動運転技術の開発を推進できる即戦力」とし、コンピュータサイエンス、コンピュータビジョン、人工知能技術、自動運転システムアーキテクト、自動運転システム・ソフトウェア技術などの専門領域を持つ方の採用を行っているそうです。
本田技研工業株式会社
トヨタ自動車と同じく自動車メーカーの本田技研工業でも、コネクテッドカー・サービスの基盤となるソフトウェアプラットフォーム開発をはじめ、多数の領域でエンジニアの募集を強化しています。企業の中途採用ページを見ても、ソフトウェア・AIエンジニアの募集が目立ち、積極的にエンジニア採用を行っていることが伺えます。
募集職種の1つ1「AI技術を活用した製品・サービス開発(二輪)」では、AI系ツール(Caffe、Chainer、TensorFlowなど)、C、C++、Java、Python等を使って、二輪車においてAI技術をどう活用できるのか検討する研究開発職でエンジニアが募集されていました。
株式会社デンソー
TRI-ADの設立にも関わったデンソーでも、次世代モビリティ社会の到来に向けて自動運転やコネクテッド、電動化など広範な分野で最先端の研究開発を行うエンジニア募集に力を入れています。
採用ページには興味深い募集職種が多数ありました。例えば、データ活用を中心としたコネクテッドカーサービスを見据えた新たなアフターサービスを企画・構築する「自動車のサービスビジネスモデル企画」や、MaaS (Mobility as a Service)事業領域に置いて基盤開発を行う「MaaSに関する基盤技術開発、および実証評価」、コネクテッド時代に向けたクルマや周辺のモノ、仕組みと連携して新たなビジネスを企画、仮説検証(PoC)を経た事業開発を行う「モビリティシステム・サービスの事業開発」などがありました。1
エンジニア募集を拡大するにあたり開発環境にもこだわっている様子が伺えます。例えば2018年の夏に開催された社内イベントでは、Googleなどで活躍した著名ソフトウェア開発者で現在はデンソーの技術顧問である及川卓也氏から、「シリコンバレー流ソフトウェア開発の取り組み」という題目の講演が開催され、IT企業の文化や社風、クラウドを前提とした最新のソフトウェア開発手法が社員550人の間で共有されたそうです。2
総合電機メーカーでのエンジニア採用
IoT家電の開発など、幅広い製品・サービスへの活用が予想されるAIを強化し、単純に「モノを売る」ビジネスからサービスも含めた付加価値の高い事業構造への転換を図ろうとしている総合電機メーカーでも、ソフトウェア・AIエンジニアの採用に力を入れる企業が増えているようです。
パナソニック株式会社
「AI技術者を5年以内に1000人規模に増員する」と2017年に公表3したパナソニックでは、夢物語だったより良い暮らし・より良い世界の実現を目指し、人工知能技術とパナソニックの強みとするデバイスやシステム化技術の融合に取り組むエンジニアの募集を強化しています。
パナソニックでのAI領域に関する実績は幅広く、家電領域の「全自動洗濯物折りたたみ機 開発プロジェクト」、住宅領域の「エネルギーや空間を賢くマネジメントするサービスの開発(スマートハウスビジネス)」、BtoBソリューション領域の「自動学習する多言語翻訳システム開発」などがあります。
パナソニックの人工知能研究開発のホームページはとても充実しているので、気になる方は一度ホームページを覗いてみてはいかがでしょうか。
ソニー株式会社
世界でいち早くAI×Roboticsの可能性に着目し1999年に家庭用エンターテイメントロボットAIBOを発売したソニーでは、AIとロボティクスの領域で脈々と進化させてきた要素技術と最新の技術を融合して研究開発に取り組むエンジニアを募集しています。
企業の採用ページを見ると、aibo、ドローンをはじめとするロボット商品・サービス事業などのAI×ロボティックス事業で、ソフトウェア・AIエンジニアの募集が特に盛んなようです。
先日のブログ「ZOZOだけじゃない?!話題のテック企業の研究所をまとめてみた」で紹介したソニーコンピューターサイエンス研究所(Sony CSL)のホームページを見ても、AI関連の研究成果が目立ちますので、この分野に力を入れていることが伺えます。
その他のメーカーでのエンジニア採用
自動車メーカー、総合電機メーカーに限らず、実は様々なメーカーでソフトウェア・AIエンジニアの採用を望むメーカーが増えていると聞きます。多数ある中で、最近エンジニア採用に力を入れているという話をよく聞く2つのメーカーを紹介したいと思います。
コニカミノルタ株式会社
コニカミノルタと言うと複合機器メーカーという印象を持つ方も多いのではないかと思いますが、近年は「TRANSFORM(トランスフォーム)」というテーマを掲げ、従来のプロダクトアウト型のメーカーから、デジタル技術によるサービスやソリューションを通して社会が抱える問題を解決し、持続的な成長を果たしていく「課題提起型デジタルカンパニー」へと大胆な変革を進めているそうです。
コニカミノルタでは、画像を認識してAIで解析していく仕組みを活用し、小売店の店頭での顧客行動を分析して最適なマーケティングを行うシステムや、医療・バイオ領域における細胞の検査、製造業の生産工程での不良の検知など、様々な業界へAIシステムを展開しようとしています。
多様な業界へAIの活用をどう広げていくかと言うことに興味を持たれエンジニアの方は、詳細を調べて見るのも面白いのではないでしょうか。
オムロン株式会社
オムロン株式会社では、3つの事業領域の全てでAIが密接に関係しています。例えば、制御機器・FAシステム事業領域では、工業の自動化による生産性・品質の向上に取り組んでいますし、車載電装部品事業では、「安全で、人と環境にやさしいクルマ」を目指し、カーエレクトロニクスの新たな領域にチャレンジしています。また、健康医療機器・サービス事業では、長年培った生体情報センシング技術で医療に貢献していると言います。
AI分野でオムロンが特に注力している領域は、人と機械の協調・融和を実現するAI/ロボット制御の領域だそうです。センシングやコントロールの技術を複数のシーンに応用する中で事業領域を広げてきたオムロンが今後、AIの分野でどのような事業を生み出していくのか気になります。その拡大フェーズでエンジニアとして関わることは面白いかもしれません。
IoT・AI分野でエンジニアとして働きたいと思ったら…
今回のブログ記事では、ソフトウエア・AIエンジニア採用に積極的なメーカーの情報をまとめました。IT/Web業界だけでなく、メーカーでエンジニアとして働くこともキャリアの選択肢の一つになる時代になってきました。FindyでもIoT・AI等でのエンジニア求人を探すことが出来ますので、興味を持たれた方はこの機会にぜひFindyへ登録の上、求人をチェックしてみてください。
(筆者:@riiiiiii8sa)
読んで頂きありがとうございました! 宜しければ、エンジニアの皆様はFindyでご自身のスキル偏差値を測定してみてください。
[正社員の方]
ハイスキルなエンジニアのプレミアム転職サービス Findy
[フリーランスの方]
フリーランス・副業エンジニア向けの単価保証型の案件紹介サービス Findy Freelance
また、Findyでは年齢や勤務形態を問わず、様々な働き方で採用をしています。興味のある方は、こちらからご応募どうぞ!